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asagao’s blog

ほぼ日記と雑記。読書メモは個人的感想でネタバレ含みます。

モンテ・クリスト伯 読書メモ61 基本ネタバレ含みます。

カドルッス。裁きの時。 カドルッスがアンドレア(べネデット)と密談するシーンから始まる一連の事件は、今までと趣が変わる。この事件はモンテ・クリスト伯も予想外だった為、一瞬面食らう様子が面白い。超越的な存在感の伯爵が、親近感を持って感じられる…

モンテ・クリスト伯 読書メモ60

犯人は。 (読書メモはネタバレ含みます。) 医師がヴィルフォールに告げた犯人の名はヴァランティーヌ。さて、順調に思えたマクシミリアンとヴァランティーヌの身の上に、またもや暗雲が立ち込める。モンテ・クリスト伯はこの事に気づいているのか?不測の事…

モンテ・クリスト伯 読書メモ59

毒殺。 ヴィルフォール邸。 マクシミリアンとヴァランティーヌ、そしてノワルティエ老人が、今後についてを取り決める場面。 未来に希望を見いだしたマクシミリアンと、喜びと不安に目を伏せるヴァランティーヌ。ヴァランティーヌは 「仕合わせであるとき、…

モンテ・クリスト伯 読書メモ58

中傷。 新聞にモルセール伯爵の中傷記事を見つけたアルベール。今すぐ取消を!父親の無実を信じて疑わないアルベールが、滑稽な程猪突猛進する。 モンテ・クリスト伯の忠告も、ボーシャンの説明も全く耳に入らない。 まるで駄々をこねる子供の様に「取消をし…

モンテ・クリスト伯 読書メモ57

昔語り。 エデが白く細い指先で触れる、日本製の茶碗。 この物語に「日本」という単語が出てくることは嬉しい。 東洋的な物、異国の風情の一つとして日本の陶器が取り上げられたのは興味深い。 更に、エデはそれをとても気に入っているという描写が入る。 デ…

モンテ・クリスト伯 読書メモ56

エデ 憤懣やるかたないアルベールを引き連れて、伯爵は邸に戻る。全ては予定通り。かすかに聞こえてくるグズラの音色。(様々な物語に麗しい女性が登場するが、私はこのエデほど魅力的な女性はいないと思っている。)伯爵は不思議がるアルベールに、コンスタン…

モンテ・クリスト伯 読書メモ55

アンドレアとユージェニー。 ダングラール邸を訪問したモンテ・クリスト伯。伯爵の策略で更に財産を失ったダングラールは、その損失を全く顔色に出すことは無い。しかし、その様子を見て伯爵は確かな打撃を与えたことを確信する。「よし!」と伯爵は思った。…

モンテ・クリスト伯 読書メモ54'

葬儀の後。 絶望を体現したかのような、全身不随の老人ノワルティエ。彼の命令により部屋へと導かれたフランツ、ヴァランティーヌ、ヴィルフォール。この章は、心震える。 まばたきのみで肯定否定を使い分け、辞書の力をかりて会話する動けぬ老人。その老人…

モンテ・クリスト伯 読書メモ54

恋人達。 マクシミリアンとヴァランティーヌ。いよいよフランツとの婚約が避けられない状況となり、ヴァランティーヌはマクシミリアンにその悲しみを訴える。このときのマクシミリアンの説得。 「重大な、生きるか、死ぬかの場合です。役にもたたない悲しみ…

モンテ・クリスト伯 読書メモ53

人間に対する侮蔑、人間に対する崇拝。 モルセール氏の舞踏会。キラキラと輝くような恋に身を任せているマクシミリアンとヴァランティーヌ。過去の罪を引きずりながら戦々恐々として集うヴィルフォールとタングラール夫人。純粋に期待に胸踊らすアルベール。…

モンテ・クリスト伯 読書メモ52

疑惑。 さて、いてもたってもいられなくなったヴィルフォール。モンテ・クリスト伯の正体とその目的を探り始める。それもすでに計算済みのモンテ・クリスト伯。二人の人物に変装し、それぞれ証言する。 この周到な準備によって、再びヴィルフォールは安堵す…

モンテ・クリスト伯 読書メモ51

アルベールの自尊心。 モンテ・クリスト伯の元で、結婚を嘆くアルベール。 彼は、どれほど婚約者が自分に相応しくないか、その結婚がどれほど不幸な事であるかを述べる。聞きながら、モンテ・クリスト伯が口の内で呟く。「世間人だな。」※1何よりも世間体を…

モンテ・クリスト伯 読書メモ50

ヴィルフォールの戦慄 死んだはずの子供が生きている。 ヴィルフォールとダングラール夫人の密会。不倫の末に出来た子供は死産と信じていた夫人。 ヴィルフォールによって子供が生きていると知らされ、彼女は狂喜する。 しかし、ヴィルフォール自身は身の破…

モンテ・クリスト伯 読書メモ49

ダングラールの損害。モンテ・クリスト伯はチェスのコマのように一人一人を動かし、宿敵の莫大な財産の流れを操作する。そして、遂にダングラールにとって最も大切な物を奪い始めた。彼の醜い身を飾る財産。モンテ・クリスト伯によって仕組まれた取引と、た…

モンテ・クリスト伯 読書メモ48

「オートィユ」さて、四巻のクライマックス。 オートィユでの再会。ベルツッチオが、部屋に集まった訪問者の人数を確認する場面。 傍らで囁くモンテ・クリスト伯。 さあ、何人いるか見てみるがいいと。ベルツッチオの驚き。 一人一人確認する度に狼狽する。 …

モンテ・クリスト伯 読書メモ47

「伯爵に褒められるベルツッチオ」すっかり姿を変えたオートィユの邸。伯爵の命令通りどころか、それ以上に整えたベルツッチオの不安と期待。それに対して伯爵は「よし!」の一言を与えるだけ。しかし、その一言にベルツッチオは満足する。隅々にまで張り巡…

モンテ・クリスト伯 読書メモ46

小さな庭園にて。伯爵は、信号手の心を葡萄の葉を摘むだけてとらえてしまった。彼は信号手である前に、園芸家だったから。自分のこよなく愛するものに、理解を示す人を人は拒めない。こんな些細な描写でも、奥が深い。さらに、モンテ・クリスト伯が実に日を…

モンテ・クリスト伯 読書メモ45

モンレリーの塔。信号機と呼ばれる塔を訪れたモンテ・クリスト伯爵。なぜか、この場面は記憶に残っている。 丁寧に手入れされた庭。 園芸に囚われたと言ってもいい執着を見せる信号手。 デュマが言う。 「人は誰しも、心の底まで食いつくさずにはおかない道…

モンテ・クリスト伯 読書メモ44

ノワルティエ。ヴァランティーヌの唯一の保護者。 ヴィルフォールの父。絶体絶命のヴァランティーヌを救うべく、ノワルティエが決断する。中風で動かない体。動かす事が出来るのは、目だけ。視線と瞬きだけで、ノワルティエは公証人を呼べと命令する。 毅然…

モンテ・クリスト伯 読書メモ43

ヴァランティーヌとマクシミリアン。純愛。そして、モンテ・クリスト伯爵に守られている事になんとなく気づき始めたマクシミリアンのセリフが面白い。名馬を手に入れた話。まるで父親のような優しさで、マクシミリアンを見守るモンテ・クリスト伯爵の様子を…

モンテ・クリスト伯 読書メモ42

アンドレア・カバルカンティ 美しい青年だが、「悪の天使」と例えるモンテ・クリスト伯。思惑通りに行動するであろうこの青年を満足そうに眺める。父役のカバルカンティと二人きりの部屋で交わされる会話を、ある仕掛けですべて聞き取る伯爵。卑しい取引の後…

モンテ・クリスト伯 読書メモ41

カヴァルカンティ。モンテ・クリスト伯がヴィルフォール達にしかける罠。 その駒となるカヴァルカンティの父親役と息子役になる二人の人物。まずは、カヴァルカンティの父親役の男の訪問。空々しい嘘を並べながら、相づちをうち、話を合わせ、涙を流して見せ…

モンテ・クリスト伯 読書メモ40

アルベールとドブレーの訪問。モンテ・クリスト伯は、ドブレーが何故来たのかを察している。 ダングラール婦人の好奇心によって、その目のかわりに送り込まれたドブレー。会話の中で、ドブレーが愛人であることにも気づく。 どのような立場で、何のために来…

モンテ・クリスト伯 読書メモ39

オペラ座にて。 華々しいオペラ座の描写。デュマの描き方は、非常に人間臭い。舞台などそっちのけで、雑談に花を咲かせる貴族たち。見栄の張り合い。舞台よりも、客席に現れた若く美しいたった一人の女性(エデ)に皆の視線が集中する様子。身につけたダイヤに…

モンテ・クリスト伯 読書メモ38

「子供を出してから、扉を閉めるかな。」※1モンテ・クリスト伯爵が呟く。この呟きは、ダングラールを「醜い」と呟いた時と同様の面白さがある。まるで、あらゆる出来事を映画でも見ているような客観的かつ俯瞰したもの言い。登場人物たちを手のひらに転がす…

モンテ・クリスト伯 読書メモ37

マクシミリアンとヴァランティーヌクローバーが茂る畑を買い取り、その畑に隣接するヴァランティーヌの庭へと通う、恋するマクシミリアン。本当の恋をした男と言うものは、これほど一途になるものだろうか。 誠実で勇敢なマクシミリアンだからだろうか。 二…

モンテ・クリスト伯 読書メモ36

モレル家の人々。モンテ・クリスト伯の喜び。復讐に捧げた日々の中で、モレル家の人々と過ごす時間は麗しい。何年経とうともその恩を忘れず、何とかして「船乗りシンドバッド」を探しだしたいと語るモレル家の人々。それを、そっと慰めるモンテ・クリスト伯…

モンテ・クリスト伯 読書メモ35

王女エデ。 ヴィルフォールの毒素を振り払い、エデの元へ。ささくれだったモンテ・クリスト伯の心を癒すエデ。 銀とロイヤルブルーの似合う女性だ。 気品があり、優しく美しい。しかし、弱々しい女性ではない。 自分の意思を持つ、聡明で情熱的な女性。 生い…

モンテ・クリスト伯 読書メモ34

ヴィルフォールとモンテ・クリスト伯。 穏やかな言葉遣いとは裏腹に、 火花を散らす男の舌戦。この場面はかなり面白い。モンテ・クリスト伯の宣戦布告は、かなり直接的だ。ヴィルフォールは内心仰天しながらも、虚勢をはる。まず最初に、妻と子供の命を救わ…

モンテ・クリスト伯 読書メモ33

エロイーズとエドゥワール。 さて、ようやくヴィルフォールの現在の妻、エロイーズが登場。そして、ヴィルフォールの息子、幼いエドゥワールも。 この、エドゥワールがまた憎たらしく描かれている。ブロンドのベネデットと黒髪のエドゥワール。 どちらも父親…

モンテ・クリスト伯 読書メモ32

ダングラールの訪問。このシーンは初めて読んだ時、何故か頭に焼き付いて離れなかった。 銀行家のダングラールは、無制限貸出をモンテ・クリスト伯にするようにという手紙を受け取り、慌ててモンテ・クリスト伯の邸へとやって来た。モンテ・クリスト伯爵とは…

モンテ・クリスト伯 読書メモ31

埋められたベネデット。ベルツッチオの昔語り。次々と明らかになるヴィルフォールの過去と、不思議な繋がりをみせるカドルッス。ヴィルフォールの子供であるベネデットも、宿屋のカドルッスも、血なまぐさい事件と共に姿を隠したことが語られる。 とにかく凄…

モンテ・クリスト伯 読書メモ30

メルセデスとの再会からオートィユ。 モンテ・クリスト伯とメルセデス、フェルナンがここに来てようやく再会。 年齢を40歳でありながら35歳程度に装った理由が、メルセデスに気づかれない為という事がここにきて分かる。 一瞬で気づいたメルセデスも年齢…

モンテ・クリスト伯 読書メモ29

来訪。 10時半。約束のまさにその時間、モンテ・クリスト伯の訪問を告げる声が響く。 時間に正確なのは偉人の常。この時のモンテ・クリスト伯は「35才くらい」という描写が入るので、若々しく見える、見せる意図がデュマにはあるようだ。アルベールは、友…

モンテ・クリスト伯 読書メモ28

アルベールの午餐。モンテ・クリスト伯との約束を果たすため、紹介の場を設け人々を招待したアルベール。 そこへ偶然マクシミリアン・モレルの姿が。その理由がすごい。ダンテスに命を救われた同じ日に、自分も人を助けようと誓いを立てた。そしてシャトー・…

モンテ・クリスト伯 読書メモ27

アルベールの楽観主義。 誘拐されたにもかかわらず、ぐっすりと眠りこけるアルベール。モンテ・クリスト伯は、それを見て思わず微笑する。その意味は何だったのか。メルセデスの息子らしいと思ったのか。むしろ、みじめに震えおののいていたらモンテ・クリス…

モンテ・クリスト伯 読書メモ26

謝肉祭。場面は一転、華やかな謝肉祭へと移り変わる。相変わらずアルベールは女の子に夢中。 ようやく手応えを掴むも、実は盗賊の罠。(多分モンテ・クリスト伯の罠) しかも、最終的にベッポという15才の少年を女性と間違えあっけなく誘拐されてしまう。とこ…

モンテ・クリスト伯 読書メモ25

モンテ・クリスト伯〈3〉 (岩波文庫)作者: アレクサンドルデュマ,Alexandre Dumas,山内義雄出版社/メーカー: 岩波書店発売日: 1956/03/05メディア: 文庫購入: 5人 クリック: 12回この商品を含むブログ (21件) を見る 残虐この上ない刑罰。断頭台での死刑執行…

モンテ・クリスト伯 読書メモ24

2巻後半は、勇猛果敢なフランツ視点。アルベールはありきたりな貴族のご子息。確かに苦労を知らない人の話には、深みも哲学も信念もない。魅力が無い。 その最たるものとして、アルベール登場。贅沢と自由を満喫し育ったアルベールは、物事を見たままに受け…

モンテ・クリスト伯 読書メモ23´

34歳で出獄したダンテス。モレル氏の窮地を救ったあと、物語は9年経過します。 随分思いきった年数が経過しているんですよね。 普通に考えたらまず自由を満喫しようかと、そうなりますかね。 巨万の富もあることだし。 計画を練りながら下準備を進めて9年。…

モンテ・クリスト伯 読書メモ23

ダングラールの拒絶。 悪人は恩に報いる事はない。 それこそ、悪人の証と言わぬばかりに。 恩を知らず、恥を知らない。 己の醜さを知らない。 悪人の醜さは夜の闇でなければ隠せない。 かつて、ある文豪はそう書き綴った。容姿の美醜よりも、ことさら嫌悪感…

モンテ・クリスト伯 読書メモ22

モレル氏の部屋に、悲しみの訪れ。騒がしい人々の足音と共に、恐れていた知らせが届く。船が沈んだ知らせだ。しかし、モレル氏は神に感謝する。 乗組員は全員無事だった。「ありがたい!損害はわたし一人ですんだのだ。」※1破産を確定させる知らせに対して、…

モンテ・クリスト伯 読書メモ21´

ダンテスはドSですよね。 牢獄であれだけ耐えたから、ドMなのかと思いきやモレル氏に返済を迫るダンテスはドSです。トムスン・アンド・フレンチ商会のおどしっぷり。 あそこまで追い詰めなくても。しかも、そのあともっとビックリさせる予定なのに、ホントに…

モンテ・クリスト伯 読書メモ21

イタリアなまりの司祭。白いベストを着たイギリス紳士。ダンテスの変装が面白い、興味深い。 私の頭のなかには、はっきりと彼の顔に差す窓からの日差しまで見える。そのくらい文に力がある。 山内義雄訳は至高だ。そんなダンテスの変装を見破る者は誰一人い…

モンテ・クリスト伯 読書メモ20

「飢え死!」※1父親の死の原因は、餓死。 その事実を突きつけられ、ダンテスは思わず叫ぶ。誇り高い父親のことだ、当然まわりの人々の情けを受け、迷惑をかけ生き延びようとはしないだろう。 ダンテスも一度は踏み込みかけた餓死を、父親は自ら選び受け入れ…

モンテ・クリスト伯 読書メモ19

デュマの文章の特徴は、淡々と続く事実の描写。これがまた心地よい。例えば、モンテ・クリスト島の探検の場面。ダンテスが全身に受ける風、あたりを満たしている熱気、木々のざわめき。余計な飾りの無い、率直でありながら伝えるべき要所をとらえた言葉。あ…

モンテ・クリスト伯 読書メモ18

「ダンテス君、だらけてはだめだぞ、逃げようとするとき、力がしっかり鍛えられていないと、あなたは溺れてしまうからな。」※1 荒海の中で、ファリア司祭の言葉が響く。 無為な牢獄の時間。 人生においての不遇の時代。 そんな時こそ、だらけてはダメだ。 暇…

モンテ・クリスト伯 読書メモ 18´(番外)

ダンテススパダこの単語に見覚えがあるなぁと思ったら、Devil May Cry5 の ダンテとスパーダでした。DmC Devil May Cry (ディーエムシー デビル メイ クライ)出版社/メーカー: カプコン発売日: 2013/01/17メディア: Video Game購入: 3人 クリック: 66回この…

モンテ・クリスト伯 読書メモ17

風と墓場。モンテ・クリスト伯〈2〉 (岩波文庫)作者: アレクサンドルデュマ,Alexandre Dumas,山内義雄出版社/メーカー: 岩波書店発売日: 1956/02/25メディア: 文庫購入: 6人 クリック: 16回この商品を含むブログ (36件) を見る運命はダンテスからファリア司…

モンテ・クリスト伯 読書メモ16(ネタバレあります)

幸福がその訪れを知らせる。心の扉を叩く音。 しかし、不幸に馴れたものは、その音に怯える。 信じることができず、考えられる最悪の事態を想定し、その扉を開けることを躊躇ってしまう。 どんなに不幸に馴れていても、信じなければならないときがある。それ…