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asagao’s blog

日記と雑記、読書メモは個人的感想でネタバレ含みます。

モンテ・クリスト伯 読書メモ5

引き続き、ダンテスを逮捕する為に来た警察官についての記述。

「警察官、それはもはや人間ではないのだ。冷たい、耳もきこえず口もきかない法律の土偶にほかならないから」(アレクサンドル・デュマ作、山内義雄訳、モンテ・クリスト伯一)

これは、権力の名の元に行動する人間の特性を表している。

ほとんどの人間が、警察官という地位を与えられ、逮捕して来るように命令されれば、感情になどとらわれることなく行動する。それが、正しいか、正しくないかは問題ではない。

権力の名のもとにあれば、人は何でもできる。

それが、権力の恐ろしさだ。

それは、個人のなすことではなく権力が行うことであり、そこに罪の意識はない。まさに、個人は権力の一部となる。自ら考える事の無い手や足となってしまう。

 

人間性の喪失。

 

権力には常に、これが付きまとう。

 

権力を手にすると、個人として持っていた、優しさや善悪にたいする概念が消えてしまう。不思議なことに人間的な思考力がどこかへと追いやられてしまう。

 

「権力の土偶」

 

ほぼ、権力を握った物は土偶となる。

自らの意思で人間性を失わずに、権力を行使できる者は、まれである。

よほどの精神力、揺るがぬ信念がなければ、権力という甘美な囁きには打ち勝つことは出来ないだろう。

それほど権力は人間にとって魅力的な物だから。