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asagao’s blog

日記と雑記、読書メモは個人的感想でネタバレ含みます。

モンテ・クリスト伯 読書メモ8

さて、ついにシャトー・ディフへ。

海岸から小舟へ、そして、夜の海。

船上で、ついに投獄されることを知ったダンテスが見上げるシャトー・ディフ。

このあたりの描写は、その情景をまざまざと脳内に描いてくれる。

震え上がるような恐怖。

闇に浮かぶ岸壁、そそりたつ牢獄の城。

情景とリンクするダンテスの絶望。

そして、「対照的」な憲兵の身ぶり。
他人の不幸を傍観するその他の人々。

ダンテスが逮捕されてから各所に描かれる、災難の中心者と、それに全くの無縁な人々が傍観する姿。

他者の不幸を悲しむ者はごく僅かであり、大半の者は全くの無感動な傍観者、なかには好奇心に捕らわれ楽しむ者すらいる。

これも、デュマが描く人間の本質。
人間の一面。

リアリティーのある描写で、引き込まれる。

牢で、一夜立ち尽くし、一睡もせず涙に腫れた瞼を伏せているダンテス。

獄丁とのやりとりに、いくぶんのユーモアを感じさせる。

半ば狂人のように主張し、イスを振り回し、獄丁を困らせたダンテスは、闇牢へと移される。

華やかな許婚式の席から、闇牢へ。

まさに幸せの絶頂からから、光も射さない闇の中へ放り込まれてしまった。

牢獄。
冷たい石の壁、石の床。

ダンテスにとって、苦悩の日々が始まる。