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asagao’s blog

日記と雑記、読書メモは個人的感想でネタバレ含みます。

モンテ・クリスト伯 読書メモ18

モンテクリスト伯 読書メモ

「ダンテス君、だらけてはだめだぞ、逃げようとするとき、力がしっかり鍛えられていないと、あなたは溺れてしまうからな。」※1

 

荒海の中で、ファリア司祭の言葉が響く。

 

無為な牢獄の時間。

人生においての不遇の時代。

そんな時こそ、だらけてはダメだ。

暇な時こそ、なすべき事を厳選し力を付けなければ。

 

多忙になってからでは、遅い。

 

来るべき時を迎えるために万全の準備をし、

来るべき時を、自ら作る。

 

忙しい時ほど、あれもしたい、これもしたいと思いが巡る。

寸暇を惜しんで、本を読み、行動する。

 

あふれるほど時間があると、かえって目的を見失ってしまうのは何故だろう。

 

 

心には緊張感が必要だ。

 それには、想像力も必要だ。

 こんな時にはこんな力が必要になる、

だから、今はこのことを身につけておこう、そう考える。

 

自分が今いかに不幸な状況に置かれていたとしても、嘆く必要はない。

 不幸は、自分の秘められた宝を掘り起こす道具だ。

 

 

年齢も関係ない。

 何かを始めるのに、年齢は障害にはならない。

 人生をやり直すのに年齢は関係ない。

 

なぜなら、今、「よし!」と希望を胸に輝かすのなら、

その瞬間に不幸は消え去るからだ。

 心に希望を燃やす者の前に不幸は無い。

 

ただ、開くべき扉、打ち壊す為の壁、超えるべき峰があるに過ぎない。

 不幸は乗り越えるための目標に過ぎなくなる。

 

今日できる事はある。

 一つでもいい。

 

「だらけてはだめだぞ、」

 

ファリア司祭の言葉には力がある。

 そして、その言葉通り行動したダンテスは、牢獄で体力を失うことなく荒海に挑むことが出来た。彼は泳ぎきり、無人の島へ辿り着く。

嵐を乗り越え、岩肌に立ち上がり、昇りゆく朝日を迎えるシーンは美しい。

 

「波は躍っていた。と見る一条の光は、波の頂きを走ると見るまに、泡だちかえる波がしらを、たちまち黄金のたてがみに変えてしまった。」※2

 

辺りをみまわすダンテスの、自由を手にした姿が印象的だ。

 世界へつながる海の只中に立ち尽くす。

 

その後、ダンテスは助け上げられた密輸入船で、今日のこの日が何年何月何日なのかを知る。

 

囚われてから14年後だった。

 

自分が苦しみの淵に落ち込み、そして、再びこの世界へ戻るのに14年かかった。

 

 

14年が過ぎていた。

 

 

私もまた、今日までにどれほどの年月を無駄にしてきたことか。

愚かだった、正直でありすぎた、人を信じ過ぎた、人を疑い過ぎた。

 

また、浅はかな自分の選択を信じ過ぎていた。

 

もっと選択は多く有り、もっと良い選択もあった。

手を伸ばせば届く場所に、知るべき情報もあった。

見ようとしていなかった、考えようとしていなかった。

 

絶望が目隠しをしていた、怠惰が足かせだった。

 

悪事に対する、客観的怒りが必用だった。

自分に価値が無いと思うことは、愚かさの証明だった。

 

私はダンテスのように蘇生しなければならない。

牢獄から、世界へ生還しなければならない。

 

私は自分自身に言い聞かせると共に、

 

今、引きこもる人々にも伝えたい。

 

 

あなたはこの世界の宝だ。

貴方の力を埋もれたままにしてはいけない。

 

掘り起こし、活用し、そして、世界へ生還するのだ。

 

なすべき事を成し給え。

 

喜び勇んで。

 

そうだ、なすべきことは君が決め給え。

 君が最も好きで、最もやりがいを感じる事を選べばいいだけだ。

 それが君の、この世に生まれた理由になる。

 

悲壮感はいらない。

 

この人生を楽しむために、苦難さえも楽しみ乗り越えるためにあるのだと、

気づくべきなのだ。

 

 ※1.2 アレクサンドル・デュマ作 山内義雄訳 モンテ・クリスト伯二、岩波書店