モンテ・クリスト伯 読書メモ23´
34歳で出獄したダンテス。
モレル氏の窮地を救ったあと、物語は9年経過します。
随分思いきった年数が経過しているんですよね。
普通に考えたらまず自由を満喫しようかと、そうなりますかね。
巨万の富もあることだし。
計画を練りながら下準備を進めて9年。
再び物語に現れたダンテスは43歳。
しかも、アルベールの友人フランツに接触。
偶然を装いつつ実はこれも計画の内。
ドS全開の伯爵です。
むちゃくちゃ好き。笑
まず容姿の描写があるのですが、とにかく蒼白いというのは全編通して何度も出てくるんですよね。
牢獄にいたから、という事なんでしょう。
眼光鋭く、鼻が高い。
気品があってギリシャ型の美男子。
この時は黒い鬚(あごひげ)あり。
身長は特別高いというわけではなく整った身体。
手と足は小さい。
まさに、イケメンの理想像。
「復讐を考えているのか?」なんて、フランツの鋭い質問に、
復讐なんてしません。めっちゃ幸せですから。(意訳)なんて言ってしまう伯爵。
そこはバレたらいけないのに、ちょっと宣戦布告っぽい。誓いを立てたとかそれを次々と実現するとかまで言う。
食事をしながらアリを助けた時の話をするシーンは、舌を切るときまで待ってたとか、残虐性を見せる視線など、まるでかつてのダンテスのイメージを敢えて払拭するエピソードのオンパレード。
はい、ここからずっと続きます。物語ラストまでダンテスは生き生きとドSです。
続きまして、ハシッシュ(麻酔薬)を使ってフランツを骨抜き。
あれって夢じゃないとすると、眠りに入る前に女性を用意しておいて、ハーレム状態にしたわけですよね。
え?なんの意味が?
それもイタズラ?
友達の印ですか。
なんだかよく分かりませんが、モンテ・クリスト伯では珍しい官能的なシーンでこの章が終ります。
フランツその後2時間も、モンテ・クリスト伯の洞窟探しまくりでしたね。
ハシッシュおそるべし。
結果としてものすごいインパクトを与えた上で、お友達になったので、アルベールとの接触が容易になりました。