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asagao’s blog

ほぼ日記と雑記。読書メモは個人的感想でネタバレ含みます。

モンテ・クリスト伯 読書メモ26

モンテクリスト伯 読書メモ

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謝肉祭。

場面は一転、華やかな謝肉祭へと移り変わる。

相変わらずアルベールは女の子に夢中。
ようやく手応えを掴むも、実は盗賊の罠。(多分モンテ・クリスト伯の罠)
しかも、最終的にベッポという15才の少年を女性と間違えあっけなく誘拐されてしまう。

とことん軽くて、残念なアルベール。


ここまで読んで、あの長々としたルイジ・ヴァンパのくだりが必要だったことが分かる。


フランツは優しく成り行きを見守っていたものの、帰ってこないアルベールに少し焦りを感じる。

不安が的中し、身代金の要求が。



今回の流れのなかで面白かったのは「人を作る方法は只1つなのに、人を殺す方法は無数に作り出された。」という内容の文。

人間は長い歴史の中で、殺すことに躍起になっている。


考えてみれば不思議な事だ。


いつの時代にも戦争がある。

戦争は本能なのだろうか。
しかし、人間には動物には無い理性があるはずだ。

その理性があるはずの国の主導者が、戦争を選択するのはどういうわけか。

モンテ・クリスト伯が動物以下だと罵倒した言葉が再びよみがえる。

結局人間というものは、自分が一番大事なのだ。

地位と名誉、財産が手に入るなら何でもする。
それらを手離さないで済むように何でもする。

何のために生まれてきたのか。

蟻が砂糖にかじりついているのと、何が違うのか分からない。

もっと素晴らしい生き方があるのではないだろうか。

昔見たドキュメンタリーが忘れられない。

未開の地に住む村長。裸の民族。
東京に連れてこられ、あらゆるもので驚く。
それを、面白おかしく伝える番組だった。
村長の妻が綺麗な服を欲しがると、日本人の妻が「あなたには買えないのよ」と言った。
村長は、「村のみんなが使えるものを買うんだ。」そう説得した。

百貨店でのやり取りが、今でも目に浮かぶ。


そして、受け入れた日本人家族へ、村長の別れの言葉。


「私たちは同じ人間ですよね。」


村長である彼のメッセージは一流だった。
語りかける言葉は偉大だった。

私は忘れない。素晴らしい生き方だ。

文明の違いを、卑屈になるのでも、認めないのでもない。

互いに違いを認め、互いに誇りを持って交流していくべきだと、きっとそう伝えたかったのだ。


本当に村長にふさわしい人だった。

人の優劣は見た目や環境では分からない。それを、思い知った番組だった。


さあ、本題に戻る。

モンテ・クリスト伯は誘拐の事実を知らされるも、全く動じない。ペピーノを助けたことを知っていると言っても、動じない。


物語の中で何が起きようと、ほぼ変わらないモンテ・クリスト伯

人間、いかなることがあろうとも、うろたえることなく、動じる事無く対処できるというのは素晴らしい才能だ。


そのような人物になるためには、やはり苦難、苦労は不可欠。ぬるま湯のような環境では偉大な人物は育たない。


「名君、名君を生まず」は確かな事だ。

恵まれた環境で育ったアルベール、フランツの頼りなさと、不動のモンテ・クリスト伯の対比は、これでもかと言うほど執拗だ。

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