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asagao’s blog

ほぼ日記と雑記。読書メモは個人的感想でネタバレ含みます。

モンテ・クリスト伯 読書メモ39

モンテクリスト伯 読書メモ

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オペラ座にて。


華々しいオペラ座の描写。

デュマの描き方は、非常に人間臭い。

舞台などそっちのけで、雑談に花を咲かせる貴族たち。

見栄の張り合い。

舞台よりも、客席に現れた若く美しいたった一人の女性(エデ)に皆の視線が集中する様子。

身につけたダイヤに身を乗り出す貴婦人たち。


幕が降りると、一斉に桟敷から吐き出され、思い思いの知り合いの元へ出歩く客、休憩所へ移動する人々。

よく考えれば歴史上のパリの社交界、貴族たちの日常は、現代のショッピングモールや映画館で過ごす日常とさして変わらない。

人間はたいして変わっていない。


さて、モンテ・クリスト伯オペラ座での目的。

それは、あらゆる人脈を総動員できる格好の場所であるオペラ座

そして、遠くからその人となりを観察できる、立体的な桟敷の造り。

エデのもとから気づかれぬように抜け出し、モルセール伯爵のいる桟敷へ。

そして、モンテ・クリスト伯を探して辺りを見回すエデに、モルセール伯爵を抱き抱えるようにして、その顔を見せる。

驚愕するエデ。

そして、エデの元へ再び戻ったモンテ・クリスト伯は、モルセールに関するエデの過去を聞き出す糸口を掴む。


この章、面白い言葉があった。

人間の歌は、

二本脚で立つ、羽を持たない鳥が歌うものというような言葉。

なるほど、
たしかに。


鳥のさえずりほど美しい歌は無い。

鳥は歌うために生まれた。
生きる喜びを歌う。
疑いも迷いも無く。
ただ一心に。
この世界に、歌を生み出す。

だから、この世界は歌に満ちている。

人間は2本脚、羽の無い鳥。

面白い言葉だ。

だが、歌うことが出来る。鳥のように。

駆ける事ができる。馬のように。

泳ぐことが出来る。魚のように。

人間とはなんと自由な生き物だろう。

何故、迷い、疑い、ためらい、自分らしくあるということが、簡単にできないのだろう。


鳥が鳥らしく歌うように、

馬が風となって駆けるように、

魚が自在に泳ぐように、

当たり前に、ありのままに生きる事ができたら、どんなに楽しいだろう。

難しいことではないだろうに、何かにつけて人は不自由を感じる生き物なのだ。

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