読者です 読者をやめる 読者になる 読者になる

asagao’s blog

日記と雑記、読書メモは個人的感想でネタバレ含みます。

モンテ・クリスト伯 読書メモ43

f:id:kazbot:20160623210612j:plain
ヴァランティーヌとマクシミリアン。

純愛。

そして、モンテ・クリスト伯爵に守られている事になんとなく気づき始めたマクシミリアンのセリフが面白い。

名馬を手に入れた話。

まるで父親のような優しさで、マクシミリアンを見守るモンテ・クリスト伯爵の様子を上手く描き出している。

モレル氏に対する深い感謝が色褪せる事なく、何度も、何度もマクシミリアンに降り注ぐ。

慈愛という言葉が似つかわしい。

無償の慈愛が見返りを求める事なく注がれる。

マクシミリアンも漠然とそれに気づき、ヴァランティーヌに語るのだが、全く信じてもらえない。
伯爵はヴァランティーヌを守るため、ヴァランティーヌには全く無関心を装っているからだった。

自分に冷たい伯爵が、マクシミリアンの言うような優しい人には思えないと訴える。

目に映る事が真実とは限らない。

人生の盲点は、実にこの点にある。

日常で、自分に対して最も親切な人間が、実は真実の敵である場合がある。

見抜く事が出来なければ、大損害を招く。

これは、まさに「モンテ・クリスト伯」の1つのテーマと言える。


ダンテスも相手の真実を見抜く事が出来ず、牢獄へと赴いた。

ヴァランティーヌは、自分の命綱である伯爵に猜疑と敵意を見ている。


どちらも危うい。


どちらも誤った認識で、人生を歩んでいる。

この後、ヴァランティーヌの認識は一転し、結果として九死に一生を得る。

日々、認識を新たにし真実を見極める。

回りにいる人間が、目に映るそのままの人間であることはまずない。

みな、裏の顔がある。


厳しい上司が、実は自分を評価してくれているかもしれない。

いつも相談にのってくれる友人が、恋人の浮気相手かもしれない。

人生は複雑で様々な利害が絡み合う。

モンテ・クリスト伯のように、全てを客観的に見、感情を抜き去り、論理的に答えを導き出す事ができたなら、どれほど快適だろう。