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asagao’s blog

ほぼ日記と雑記。読書メモは個人的感想でネタバレ含みます。

モンテ・クリスト伯 読書メモ51

モンテクリスト伯 読書メモ

アルベールの自尊心。
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モンテ・クリスト伯の元で、結婚を嘆くアルベール。
彼は、どれほど婚約者が自分に相応しくないか、その結婚がどれほど不幸な事であるかを述べる。

聞きながら、モンテ・クリスト伯が口の内で呟く。

「世間人だな。」※1

何よりも世間体を気にする、見栄っ張りな性格。

人よりも劣る妻を持つことに耐えられない。
母のような理想の人を手にいれたいと、父親の性格そのままに受け継いでいるアルベール。

そんな彼の力説を、どこか超越した感覚で聞き流す伯爵。

その力説の源泉となっている自尊心に、イタズラな一言を投げ掛ける。

ダングラールの方がこの結婚を避けたいと望んでいる事、その為なら貴方の倍の金額を払っても良いと思っていると伝える。

まさかと不安げな様子を見せるアルベールに、続けて痛烈な言葉を放つ伯爵。

「ごらんなさい。あなたは、まさに思いあがった、極めて利己主義な方なんですよ!そのとおり、他人の自尊心は平気で斧で絶ちきりながら、いったんこちらの自尊心となると、針でちょっとさされたくらいでも悲鳴をおあげになるのですから。」※2

さあ!
後は伯爵の思う壺。
予想通りの行動を取るアルベールとダングラール。

人間の心理に明るい者は、物事を有利に進めることが出来る。

しかし、なんと的確な言葉だろう。


自惚れ屋、自尊心が強い人物ほど、
他人の自尊心は平気で斧で絶ちきる。
それに対して、自らの自尊心が傷つけられると、針の先くらいの事でも悲鳴をあげる。


強がる人間ほど、責められると弱い。



崇高さと下劣。



自尊心とは、誇り高く自らを律するもので無ければならないと思う。
そうでなければ、ただ自惚れと傲慢を助長するだけだ。

※1、2 「モンテ・クリスト伯 五」アレクサンドル・デュマ山内義雄岩波書店

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